10月三連休は悪天候の合間を縫って前穂高岳の東壁を登ってきました。
前穂高岳東壁は前穂と北尾根の東面に広がる大岩壁で、奥又白谷に落ち込んでいます。
井上靖著の「氷壁」の舞台になった岩壁としても有名です。
上高地から入ります。河童橋からの錦秋の岳沢。明日はここに降りてきます。
清水川。もう100回以上来ているのにいまだに立ち止まってしまいます。バイカモが揺れて綺麗です。
徳澤には黄金色の大きな楓がありました。
横尾や涸沢への道から離れ新村橋へ。梓川を渡り、奥又白谷に向かいます。遠景は前穂北尾根の険しい岩稜です。
パノラマ新道との分岐を経て、奥又白池への中畠新道に入ります。ここから険しくなります。
紅葉の奥又白谷。遠景は前穂北尾根Ⅳ峰正面壁です。
奥又白池に到着。前穂東壁や北尾根を目指すクライマーのベースです。
翌日は午前3時半に起きて4時半にテントをたたんで出発。ヘッドランプを頼りに奥又尾根を登り、ケルンのところで奥又白谷に降ります。
雲海の向こうに朝日が昇ってきました。
C沢を詰めてインゼルを越えてB沢に入り、さらに詰めてDフェースの基部が取り付きです。ザイルをつないでクライム・オンです。
北壁ルート1ピッチ目。Ⅱ級程度でさほど難しくありません。ルートも明瞭。
2ピッチ目。上部の松高カミンⅣ+が核心です。
3ピッチ目。トポ(ルート図)にはⅢ級と書いてありますが、立ったチムニーは悪くⅣ~Ⅳ+はある感じです。さらにトポと違い、Aフェースの基部までもう1ピッチ伸ばします。
Aフェースの基部から1ピッチ目。Ⅳ級程度のすっきりした岩で快適です。
振り返ると奥又白池が見えます。
Aフェースの最終ピッチは、まず傾斜の緩いフェースを越えて細いチムニーに入り、ぐいぐい上がって頂上直下のテラスへ。このピッチもトポと違っていてⅣ級くらいあります。
無事クライミングを終え前穂の頂上へ。槍をバックに槍ポーズ。
岳沢まで降りると錦秋の谷が広がっていました。
岳沢湿原も秋色です。無事クライミングできたことに感謝!