西穂からジャンダルムを踏破した翌日は、ジャンダルム・飛騨尾根に向かいました。
ジャンダルム・飛騨尾根はジャンダルムの頂上から飛騨側(新穂高側)に延びる尾根で、簡単なクライミングピッチが続くルートです。
通常は残雪期に登られますが、無雪期でも雄大なマルチピッチクライミングが楽しめます。
夜明け前に穂高岳山荘を出ます。奥穂を越えて馬の背に向かう稜線から振り返ると、ちょうど奥穂の向こうから陽が登るところでした。
昨日とは逆方向。馬の背を越えて、ロバの耳を越えてジャンダルムを目指します。
槍ヶ岳の遠景から、ジャンダルムに付く頃にはすっかり陽が登り穂先を照らすようになりました。
ジャンダルムの基部を回り込んで、αルンゼを下ります。悪いガレ沢は浮石だらけなので慎重に。出合まで降り切る前にトラバースして尾根に取り付きます。
尾根に出たらリッジ上を爽快に登っていきます。蒲田川や穴毛谷、笠ヶ岳の稜線をバックに。
絶壁のように見えますが、ホールドもスタンスも豊富で見た目ほど難しくはありません。とにかく爽快な尾根をジャンダルムのピークに向かってクライム・アップしていきます。
最後はジャンダルムのてっぺんに出て終了。下山は天狗のコルまで下り、天狗沢を岳沢まで下ります。天狗沢も上部はガレていて危険なので、慎重に。途中のお花畑ではコバイケイソウが咲いてました。
そして上高地へ下山。この時期は陽も長く、まだ明るいです。岳沢湿原の清流に癒されます。
ジャンダルム・飛騨尾根はクラシックな名ルートで、期待に違わぬ良い景色と爽快なクライミングが楽しめます。難易度も高くなく、マルチピッチ初心者でも十分楽しめます。
投稿者: tthara
(公社)日本山岳ガイド協会認定ガイド
[資格レベル]
山岳ガイドステージⅡ
スキーガイドステージⅡ
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