ヨセミテに行ってきました。
今回はトレッキング中心の企画。クライミングで有名なエリアですが、日本ではあまり紹介されていないもののトレッキングルートも充実してます。
羽田空港から出発。ANAのスイートラウンジでリッチな時間を過ごしました。
サンフランシスコ空港に到着。ターミナルGからエアトレインの終点のレンタカーセンターへ行き、最近海外に行くときに愛用しているRentalcar.comで申し込んだアラモのカウンターへ。カウンターのおじさんに「ヨセミテに行くならもっと大きな車にしろ」と言われたけど断って、日産のコンパクトカーです。人数も少ないし、結果これで十分でした。燃費も抜群。
行きはサンフランシスコ空港からオークランド、ダブリンを経由して、560号線から5号線を南下。サンフランシスコからオークランドまでは高速道路も入り組んでいて、分岐も複雑でとても分かりにくいです。140号線がヨセミテまで続く道なので、この標識が出てくるガスティーンという町で降ります。140号線に入ると、30分ほどでマーセドの町。町の中は少し140号線も複雑に折れたり曲がるので140号線の標識を見落とさぬよう進みます。そこから1時間ほどでマリポサの町。ここで休憩がてら給油。マリポサから少し行くとロッキー山脈のはずれに差し掛かり山道の様相、どんどん標高が上がっていきます。最後の給油地であるエルポータルの町を過ぎるとほどなくヨセミテ国立公園のゲートが出てきて、入園料を支払います。カード使用可。
どんどん標高を上げ、マンティーカからの道を合わせるとバレー内へ。まずはエルキャピタンの大岩壁が目前に飛び込んできます。バレー内は反時計回りの一方通行ですが、ところどころに駐車スポットがあり写真を撮るために停車できます。
ブライダルベール滝(左)とヨセミテ滝(右)。ヨセミテ滝は世界で7番目に大きな滝だそうです。この時期は水量が豊富ですが、ハイシエラの山は保水力がさほどなく、7月になると枯れてしまうそうです。
バレー内の中心地であるヨセミテ・ビレッジにあるインフォメーションセンター(左)とマーケット(右)。マーケットは遅くまで営業していて、食材も揃います。下界より少し高めといわれてるけど、さほどでもなかった印象。
今回はヨセミテ・ウエストにあるScenic Wonderが経営するコンドミニアムに泊まるので、バレーから出てアッパーヨセミテ方面に向かいました。6月はヨセミテのベストシーズンといこともあり、米国特有の強烈なダイナミックプライシングのおかげで宿泊料は高騰。コンドミニアムといっても$270/nightと高めでしたが複数名で泊まればまあ已む無しという値段。やはり快適でした。ちなみにこの時期、バレー内のホテルはとんでもなく高いです。安く上げるならやはりCamp4か、ハーフドームビレッジのキャビンがお勧めと思いますが、Camp4は今年からシーズン中は抽選となってしまいました。
翌日は今回の最大の目的であるハーフドームトレイルへ。サマータイムで21時頃まで明るいとはいえ、10時間以上のロングトレイルなので朝5時に起きて6時に車で宿を出発、ヨセミテバレーの一番奥にあるハーフドームビレッジを目指します。バレー内にはマーセド川が流れます(左上)。イメージ的にヨセミテバレーは上高地に似ています。あとクライミングシーンとしてはCampのすぐ裏手がクライミングエリアになっているので、さらに小川山を合わせた感じですね。ハーフドームビレッジには白いキャビンが点在(右上)。シャワー棟もところどころにあります。7時にハーフドームビレッジを出発し、トレイルヘッドの看板(左下)を過ぎてマーセド川に沿って進み、まずはバーナル滝を目指して登っていきます(右下)。
谷は切り立っていて、アッパーヨセミテ方面にもこんな大岩壁が迫ります。すっきりした岩で、スケールが違う。いろいろなクライミングラインが引けそうです。
バーナル滝の手前でこんな水場がありました。水はここで汲めます。
ゴルジュ様のトレイルを進み、バーナル滝へ。トレイルは滝の右壁に付けられてますが、滝の飛沫でずぶ濡れになります。このトレイルはMist Trailと名付けられてますが、はっきり言って豪雨並みです。でもえらく乾燥しているので、歩いているとすぐに乾きます。
滝の右壁をへつるように進み(左)、滝の落ち口へ(右上)。ここらへんで谷に朝日が差し込んできました。
さらにゴルジュ様の脇に付けられたトレイルを進み、ネバダ滝へ(右)。今度はさほど飛沫はかからないです。この時期、ネバダ滝の上にあるリトルヨセミテバレーからの水量はとんでもないものでした。
ネバダ滝を登りきるとトイレのある休憩所があります。ここまでは一般のハイカーも多いです。ここから先はリトルヨセミテバレーに入り、傾斜が緩みます。トレイルは、ネバダシエラの山に続く明るいプラトー帯を進み、ハーフドームも見えてきます(左中)。途中、ハーフドームの最後のスラブを表した看板も(左下)。
ハーフドームが見えてきました。
ハーフドームへの岩場に差し掛かるところでレンジャーゲートがあります。ここでパーミッションとパスポートを見せます。パーミッションが無いとここから先は入れません。ヨセミテのホームページから申し込みができますが抽選で結構な倍率のようです。我々は幸運にも一発でゲットできました。岩場を上がっていくとハーフドームの肩へ。ここから急傾斜のスラブが頂上まで伸びてます。
最後のスラブはケーブルと足場が組まれてますが、結構な斜度で、クライミングの心得がないと完全にケーブル頼りになり腕を使います。手袋は必須。さらに、ここはきちんとハーネスとPAS(Personal Anchor System)を用意して、最低でもビアフェラータのようにケーブルを使って確保をしつつ登るべきだと思います。確保無しで登っている人も結構いて、しかもpoorなシューズで登っている人もいてヒヤヒヤでした。事実、過去には事故が頻発したそうで、故にパーミッション制にしたそうですが、装備も必須にした方が良いと思ってしまいました。
傾斜のきついところはこんな感じ。ケーブルが無かったらそこそこのグレードです。しかもたくさん人が通るものだから、岩は磨かれてツルツル。
ハーフドームの頂上です。まだ雪が残ってました。右はエルキャピタン方面に突き出た岩場。ここからハーフドームの壁がヨセミテバレーに向かってすっぱりと切れ落ちてます。
下りも確保をしながら慎重に下りました。
同ルートを下降し、ハーフドームビレッジに戻ったのが18:30。北アルプスを歩く標準的なペースだったと思いますが、11時間半のロングトレイルとなりました。
今回はクライマーの聖地であるCamp4にも寄ってみました。今年からテントサイト確保は抽選となったため、管理小屋の前では長蛇の列ができてました。サイトは閑散としていて、少なくとも2倍はテントが張れそうな状況でしたが、オーバーユースを避けるためにあまり許可を出していないようです。右の写真は「岩場でも熊に注意」の看板。熊は5.8のグレードも楽々登るそうです。
翌日はアッパーヨセミテのトレイルへ。上はエルキャピタンの正面に位置するタフトポイント。歩きやすい森のトレイルです。絶景です。
こちらはセンティネルドームを目指すトレイル。ハーフドームと違いなだらかで登りやすいです。
センチネルドームの頂上から、ヨセミテ滝を見下ろします。ヨセミテ滝の上にはまだ雪の残ったハイシエラの高地が美しく広がっています。ヨセミテ・バレーが台地にできた裂け目であることを実感。
最終日はハイシエラからマンティーカを抜け、オークランドから北上してナパ・バレーに立ち寄りました。ナパ・ミルのあるジェネラルマーケットの隣の宿でした。とても良かったです。
当然ですが、ワイン三昧。ステーキも旨かった~
ナパにはこんなワンカップが売ってました。日本酒もインターナショナルになってきたのですね。確かに文化がワインと似ている気がします。
こんなワインもありました。その名も”The Climber”
思わず2本買ってしまいました。作り手の方はクライマーなのでしょうね。
翌日は、出勤渋滞の高速を抜けてサンフランシスコ空港から成田へ。
日本は梅雨ですが、6月のヨセミテは晴天続きのハイシーズンなので、梅雨除けにちょうど良いセレクションでした。
とても良い旅でした。